介護福祉士 A・M さん (2018年入社)
私は、20歳の時から介護施設で働いております。
何か所も施設を見てきましたが、ときわの杜の方針には正直ありえないと思いました。
向精神薬を使用しないと聞いた時はどうやって利用者対応をしていくのか疑問でした。
職員の負担がすごいのではないか、あばれる方、怒鳴り散らす方などがいる場合、必ずと言って良いほど、安定剤を処方してもらう。
夜、不眠ならば眠剤を処方し、眠ってもらう。これが当たり前だと思っていました。
ですが、それは人間ではない!薬漬けにされた人は生きている目をしていない!
そんな人生楽しいわけがない!そう気づかされました。
抑制せず、自然体でいることこそ人間らしい生活であることがわかりました。
だって本人は薬漬けの人生なんて望んでないのですから。
寝ないならそれでいい、大声を出したければ出せばいい。そう思えるようになりました。
それこそ人間の本能であるのだから。
そして、食事の素晴らしさ、あえて高い国産のものにこだわり、冷凍食品に頼らず、天然塩・きび糖等、本当にいいものを使用するこだわりに驚かされました。
人間にとって、1番大切な食事、生きるための力となるものをしっかり補うこと、自然な味とともに生きていく・・・。
そんなこだわりの食事を利用者様は召し上がることで安全で、清らかな体が作れるのですね。そしてその安心の食事を職員食として提供してくれていて、毎回私たちも美味しく頂いています。
本当の人間の生き方を教えてくれる場所だと思います。
抑制しない介護に出会えて、本当によかったです。
作業療法士 H・M さん (2014年入社)
就職活動を再開する際に、譲れない点自分の中に2つあった。
ひとつは就学前の2人の子供を養育する身として、子育てに協力的で理解のある職場であること。
2点目は、一専門職として、未習熟分野の「ターミナル」に関わり、自己研鑽が可能な職場であること。
幸いにも、ときわの杜は2点を満たしており、私の20年近い職歴で2番目に長い勤務地となっている。
職場は、8割がた女性職員で構成され、子育て理解があるゆえに、お互い様でフォローしあうのが、当たり前となった温かい雰囲気の中で仕事に携わることが出来ている。このため結婚後・産休復帰し、働き続ける職員もいるし、働きやすさも相まって、親族を紹介し、施設内で夫婦や家族で従事することもある。分野は違えど、一特養施設内で親族が働く環境にあることも独特に思う。加えて、職員自身の親族を入居申し込みし、入居後は仕事の傍ら「一家族」として別ユニットに面会に行く形をとる職員もいる。
その他、最近知ったのは入居者の家族同士が地域でつながりがあったり、家が隣同士であったり、はたまた昔の同級生同士だったり…。また、入居中・退居後の家族に紹介されてといった口コミのような入居申し込みも受けて、世間の狭さや地域の密着性も感じる部分はある。ここから感じるのは、自分の家族を預ける(またはこれから入居申し込む)キーパーソンとして、内情理解している知り合いからの情報は、施設選びの入居選択肢や入居継続に対する信用に大いに関係するということであって、信頼関係の在り方に、自分たちの身が引き締まる思いがする。
自己研鑽したいと願っていた「ターミナル」に関しても、ときわの杜は「看取りケア」を実施できるように研修を取り入れ、体制を整え、今までに何人もの方をお看取りさせて頂いている。
毎回、看取り対象者を受入れたときに、葛藤を覚えつつも、入居者の最後の命の輝きを支える場所は、当たり前に今まで過ごしていた自身の部屋であり、なじみの職員であり、余計な音や医療処置はなく、自然な最期を迎えるところであってほしいとの思いがときわの杜にはある。
介護に従事する者として、「より良く生き抜き、より良く死にゆく」ケアに向けて家族の心理面を支えながら、職員自身も支えきったと自信の持てる看取りも回数を重ね、試行錯誤の中でようやく形となり、チームアプローチとして携わることが、できてきていると思う。
手を尽くすケアの中で、稀ではあるが、看取り解除となるケースもあり、ユニットケアを行う職員の自信と入居者と家族の笑顔が手に入ることは、仕事のモチベーションとなっていると感じる。
職員側も入居者の最後を意識することで、ケアのあり方を振り返ったり、入居者自身が年を重ねても心身機能が維持できて、普段と変らない日常を過ごせているということは、加齢による心身機能低下を予防したり、低下を緩やかにしているのは「生活リハビリ」効果の証拠ともいえる。
毎日の何気ない日常は、ほぼ「キセキ」の連続であり、個人の尊厳を支える「あたりまえの感覚」の大切さの気づきを失うことなく、入居者の生活支援できる介護分野の仕事を誇りに思う。
その他、施設の特徴的なこととして、居室個室化されたプライベートを確保された生活空間と、できるだけ口から食べるものは自然な素材を使用し、添加物に配慮し、食べやすい形態を惜しまず調理し、見た目にも鮮やかに盛り付けた食事を提供に力を入れている点に思う。体内に良い栄養を取り入れることで、「人間が本来持っている自然治癒力」を引き出しやすくし、日々の生活の食・住を大切にしていることは、栄養課が健康面に配慮した意識下のもと、ケアに関わり、看護・介護職員側も安心してケアを進められる環境が整っていると感じる。
目に見えない環境面でも、施設として、調湿設備や除菌対策もなされ、粒子レベルでの環境整備への取り組みが続けられ、見えないところでも陰ながら安心・安全を提供している。
次に、施設の特徴とすべきところは、向精神薬を内服することなく、ケアの中身を見直すことでBPSDが軽快し、ケアを受けること・生活することの穏やかさを取り戻そうとする意識の高さだった。
その徹底ぶりも例外を許すことなく、ゆるぎないもので、入居はもとよりデイサービス・ショートステイの利用者にも、安易に向精神薬を内服しないで済むようなケアの見直しを家族指導を含めて行う方針がトップにある。薬の無知の怖さを、職員は研修受講をしながら地道に学び、自身のケアのあり方を見つめなおすきっかけを得ていると感じる。
昨今、高齢者虐待を報じるニュースの中に「身体拘束」のキーワード耳にすることもある。その身体拘束のひとつとされるものが「ドラッグロック」と呼ばれる、薬物の過剰投与である。ときわの杜が薬に対し、徹底した対応をしているのは、ひいてはこのドラッグロック防止につながっていると考える。
向精神薬に対し、専門知識がとぼしく、24時間介護をする在宅家族としては、薬にすがりたい気持ちもわからないではない。
しかし、施設では、その人のBPSDを誘発している要因分析をアルゴリズムに則って行い、本質を見誤ることのないように、自分たちのケアのレベルや入居者の状態観察と洞察力を日々磨き、ケア向上につながるように職員同士の意見交換の場を設けている。
外部講師によるの施設内研修や、多職種が関わり、各々の学びを通じて、入居者を多角的にみる視点・理解を深めていけたことは自分自身大きな収穫となった。